社宅・官舎など、勤務先の住居に入るか迷っている方はいませんか?
「設備が古そう…住み心地は?」
「人間関係は大変じゃない?」
ドラマで出てくる社宅は、ボスママがいたり、上司の奥様のご機嫌をうかがったり……
「なんだか怖そう!」と思われる描写が多いですよね。
実態が謎に包まれた社宅生活、入居に不安を抱いている方もいると思います。

- 筆者は転勤族
- 社宅歴10年
- 転勤で4ヶ所の社宅を経験
近年は社宅を廃止し、家賃補助に切り替える企業も増えました。
そのぶん、社宅の情報も入手しにくくなったと思います。
社宅を検討している方は、住人の生の声が聞きたいですよね!
そこで、社宅暮らしを経験した転勤妻が思う、社宅のメリット・デメリットをご紹介します。
筆者は、「社宅に住んで良かった!」と感じています。
みなさまの不安や疑問の解消に、ぜひ当記事を役立ててみてください!
社宅とは?

社宅とは、企業の福利厚生制度のひとつです。
従業員の住居費用の負担軽減を目的としています。
アパートやマンションなどの集合住宅や戸建て住宅を、企業が従業員のために提供する社宅制度。主に「社有社宅」と「借り上げ社宅」の二つに分類することができます。
引用:URくらしのカレッジ
筆者が住んでいるのは、「社有社宅」のほうです。
今回記事で取り扱うのも、こちらを前提としています。
また単身寮ではなく、家族用の社宅についての記載となっています。
では、気になる方は続きをどうぞ!
社宅のメリット

社宅に住んで良かったと感じたことは以下のとおりです。
- とにかく住居費が安い!
- 住民の身元がわかっている
- 仲間意識があり、コミュニティに入りやすい
- 転勤先にも社宅、間取りもほぼ同じ
それでは見ていきましょう。
とにかく住居費が安い!
会社の福利厚生の一環とあって、家賃がかなり抑えられています。
わが家の場合ですが、
- 3LDK(家族4人で居住)
- 家賃は、分譲マンションの駐車場並み
- 敷金、礼金は不要
- 更新費用ももちろんなし
- 駐車場代も無料
正直、家計はかなり助かっています。
固定費の削減は、最も効果の大きい節約方法です。
食費を減らす工夫をするより断然楽です。
月々の住居費を抑え、マイホーム購入までに貯金ができるのでありがたいですね。
住民の身元がわかっている
家を探すとき、周りにの住民はどんな人たちか、気になりますよね。
その点社宅は、最低限「同じ会社の人である」という条件付きです。
気の合う合わないは別として、身元は保証されています。
安心材料のひとつですよね。
仲間意識があり、コミュニティに入りやすい
住んでみてわかったのですが、社宅には良い意味で仲間意識があります。
子供の友達もママ友もすぐにできます。
近くの公園で別の親子に出会ったとき、「社宅です」は最強のパワーワードです。
互いに社宅だった場合、それだけで話すきっかけになったり、仲良くなりやすいですよね。
近隣の学校の情報も教えてもらえますし、制服のおさがりまでもらえました。
はじめての土地に転勤しても、社宅に入れば孤独感とはほぼ無縁です。
転勤先にも社宅、間取りもほぼ同じ
社有社宅の場合、会社が各地に同じような社宅をつくっていることがあります。
(わが家はそのパターンです)
社宅→社宅の引っ越しだと、転勤先に前の社宅のお友達がいたこともありました。
見知らぬ土地に住むとき、すでに知り合いがいるというのは想像以上に心強いです。
また家具や家電に関しても、築年数も間取りも似通ったものが多いので、そのまま使えます。
買い替え不要なので経済的です。
家具の配置も同じままでいけるときもあるので、引っ越し作業もかなり楽になります。
社宅のデメリット

つづいて、社宅のデメリットだと感じる部分です。
- 建物、設備が古い
- 係や当番の持ち回り、掃除
- 良くも悪くも、まわりは会社の人
挙げてはみましたが、どれも結論から言うと「すぐに慣れます」。
デメリットも、考えようによってはメリットに変わります!
くわしく見ていきましょう。
建物、設備が古い
社宅もさまざまですが、私の住んできた社宅は、お世辞にもきれいとは言えません。
正直、「古くて汚い」のは事実です。
- いわゆる団地のアパート風
- エレベーターはなく階段(5階まで)
- お風呂は「バランス窯」
(バランス窯ってどれくらい通じるのでしょうか……ハンドルでカチカチっと回して沸かすお風呂のことなのですが……)
ただ会社所有の家なので、不具合があれば会社がすぐに直してくれます。
費用ももちろん会社負担です。
古くてもしっかり管理されているのは、社宅のいいところです。
それに小さい子供がいると、新しい家はなにかと神経を使います。
その点、古い家は気が楽です。
先人たちの爪跡がたくさんありますので、自分がつけたキズがどれかなんて、よっぽどひどいものでないかぎり自分でもわかりません。
「住めば都」は本当です。
住んでいるうちに、慣れてきます。
インテリアなどの工夫次第でも、より快適な生活を送れます。
DIYを取り入れてみるのもひとつですよ!
係や当番の持ち回り、掃除
社宅にも自治会のようなものがあります。
水道の検針係、会計係、子ども会の係などが数年に一回まわってきます。
また、社宅周辺の掃除、草刈りも定期的にあります。
マンションのように管理人さんがやってくれないので、自分たちでやります。
それがどうしても苦手な場合は、社宅をつらく感じることもあるかもしれません。
ただ、私の経験からお伝えしますと、
- 係も交代制なので、それほどの負担ではなかった
- 自治会活動は社宅に限ったことではない
持ち回り当番や掃除が、「社宅を出たい!」と思う理由にはなりませんでした。
良くも悪くも、まわりは会社の人
社宅なので、まわりの住民は会社の人です。
- プライベートまで職場の人と近いのはちょっと……
- 社宅で失敗したら、仕事に影響しそう
そういった多少の緊張感が、ないとは言い切れません。
私も最初はそんなことを考えていました。
ただ考えてみたら、これらはすべて「お互い様」の話なんですよね。
仕事に悪影響を及ぼしたら困るのは、むこうも同じはずです。
会社の人だとわかっているからこそ、相手側も気をつかってくれていることがほとんどです。
大きなトラブルはめったに聞きません。
「持ち回り当番をまったくやらない」、「深夜に爆音でゲームをしている」ご家庭などは、少しはうわさになったことはありますが……
それも少数派です。

これは社宅に限った話ではないですよね
ほとんどの人が、ちょうどいい距離感で、節度のある生活をされているというのが実感です。
私の社宅の住民は、新婚さんか子連れファミリーが多い印象です。
(私たちにとっては、同世代)
上司にあたる方々は年齢的にマイホーム購入済み、遠方転勤も単身赴任なため、社宅ではなく単身寮に入られる傾向があるそうです。
社宅は、結婚~家を買うまでの住まいを必要とする世代が多数派だと思います。
緊張の原因は主に「上司の近くに住む」ことかと思うので、気になる方は居住者層をリサーチしてみるのも有効かもしれません。
〈おわりに〉個人的に、社宅はおすすめです!
夫が職場で話を聞くところ、家族用社宅に入るのは、結婚した同期のうち約半分程度だそうです。
社宅に入った理由 | ・家賃が安いから ・社宅のある学区が良いから ・そのエリアで持ち家を探したい |
社宅に入らなかった理由 | ・古い家はやっぱりイヤ ・配偶者の通勤場所から遠い ・実家の近くに住みたい |
上記は一例ですが、みなさんそれぞれの理由で選択されています。
私も10年ほど前、新婚で古い社宅に入った当初、正直テンションの下がったときもありました。
きれいなマンションに憧れましたよ。
意地悪なお局様がいないかも不安でした。
それでも……
- 家計が助かる、お金がたまる
- 友達ができる
メリットのなかでも、この2つの恩恵がとても大きかったです。
面倒なことより、助けられることのほうが圧倒的に多く、過度な心配はすべて杞憂でした。
社宅に入るという選択をした、新婚当時の自分をほめてあげたいと今では思います。
もちろん会社や場所にもよるとは思いますが、悪くないですよ、社宅ライフ!
ひとりの声として、悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。