「聖☆おにいさん」、知っていますか?
2024年12月に映画が公開されましたが、原作はギャグ漫画です。
映画館での上映は2月ごろ終了したようですが、筆者はこの原作漫画のほうのファンです。

普段読むのは、漫画じゃない本のほうが多いのですが……
めずらしくハマってしまいました!
筆者の思う「聖☆おにいさん」の魅力
- しっかりとした背景知識にもとづいた、全力のおふざけ
- その絶妙なバランス感覚と、独特の世界観がクセになる
この記事では、筆者が「聖☆おにいさん」をおもしろいと感じる理由について、その魅力を語りたいと思います。
- 「聖☆おにいさん」原作漫画について知りたい方
- 「聖☆おにいさん」漫画の感想を聞きたい方
ぜひ読んでいってくださいね。
「聖☆おにいさん」について
宗教×日常系ほのぼのコメディ漫画
神様の子イエス・キリストと、仏教の教祖であるブッダ。
ふたりは現代の東京・立川にある、風呂なし六畳一間の安アパート「松田ハイツ」でルームシェア中。
ひっそりと下界でのバカンスを楽しんでいるという物語です。
宗教界のビッグネームなおふたりですが、とても庶民的な生活を送っています。
そんな共同生活の日常を、宗教を題材にしたユーモアを交えながら描く、ほのぼの系コメディ漫画です。
アニメ化、ドラマ化、ついには映画化!
- 漫画……2006年~『モーニング・ツー』(講談社)にて連載中
- 劇場アニメ……2013年公開
- 実写ドラマ版……2018年放送
- 実写映画版……2024年公開(『聖☆おにいさん THE MOVIE〜ホーリーメンVS悪魔軍団〜』)
原作漫画は、2006年からはじまって、まだ連載中です。
累計発行部数が、2024年5月にはなんと1700万部を超えたと報じられています!
(参照:映画.com|松山ケンイチ&染谷将太、福田雄一監督「聖☆おにいさん」実写映画化! 12月20日公開)
たくさんの読者に支持されてきたからこそ、こうしたメディアミックス展開が可能になったのでしょうね。
海外の反応
「聖☆おにいさん」の漫画は、過去にあのイギリス・大英博物館に展示されたこともあります。
日本の漫画文化を紹介する一環として行われ、特に宗教をテーマにした作品としてのユニークさが評価されたそうです。

こうした漫画が誕生すること自体が、日本的宗教観ゆえなのかもしれませんね。
無宗教的というか、八百万の神々的というか……
他の宗教や文化に寛容な面があるのかなぁと思います。
世界では、英語版・中国語版・フランス語版・ドイツ語版などが翻訳出版されています。
真剣に宗教を信じる人からの厳しい声はあるものの、多くの国や地域で「おもしろい!」と受け入れられています。
「聖☆おにいさん」のおもしろさ
宗教をコメディにしてしまう大胆な設定
「宗教なんてテーマを扱っちゃって大丈夫なの!?」とはじめは驚きました。
しかし、これがなぜか成立していて。
信仰を軽んじたり、馬鹿にする感じがないからだと思います。
宗教の教えや偉大さを大切にしながら、現代的な視点でギャグに昇華してしまう。
そのため、むしろ宗教に親近感すら感じてしまうような内容になっています。
こうした漫画の設定そのものが唯一無二で、作品の一番の魅力だと感じています。
人を傷つけない、ゆるくてシュールな笑い
神様を主役にしてイジってみたり、基本設定はなかなか攻めてると思います。
ただ内容というか、笑い自体はすっごいゆるゆるなんですよね……

第1巻のはじめから、イエスが女子高生に「ジョニー・デップに似てる」と言われ喜んでいたりします。
神様なのに……出だしからいきなり心をつかまれました(笑)
基本的にずっと、そんなゆるゆるな空気感です。
設定の際どさと笑いのシュールさ、そのアンバランスさが面白いです。
そして基本的に他人を貶めない“癒し系”ギャグなので、安心して見ていられます(例えるなら博多華丸大吉さん的な芸風……?)。
たしかな宗教の知識にもとづいたギャグ
イエスのテンションが上がると水がワインに変わったり、
安息日と言ってサボろうとしたり、
ブッダの螺髪をパンチパーマと表現したり……
実際の宗教の題材が、現代の生活シーンの中に絶妙なイジリ具合で織り込まれています。
そのセンスとバランス感覚が本当にすごいんです……!
作品を味わうために、宗教的知識が多少あったほうがより楽しめるのは確かです。
ですが宗教を知らなくても、現代生活の中の日常系コメディ(主役モデルが神様というだけ)なので、じゅうぶん楽しめると思います。
ちなみに、世界三大宗教と言えば、キリスト教・仏教・そしてもう一つがイスラム教です。
ただ、「聖☆おにいさん」のなかにはイスラム教の神(アッラー)は登場しません。
イスラム教では、神様の姿を絵や像にすることを固く禁止されています。
その偶像崇拝禁止の教えを考慮しているのではないかなぁと考えています。
宗教の厳格さ、真剣な信者の多さ、唯一絶対の神とする教えなどから、漫画の題材にすることは避けたのかもしれません。
(安アパートで共同生活なんてさせられませんよね……)
そうした、宗教を茶化したりせず、尊重する姿勢が、この作品が世界でも受け入れられる理由なのではないかなぁと思っています。
おわりに
映画化されたばかりですが、この世界観を最も楽しめるのは、やはり原作漫画だなぁ~と思います。
興味を持たれた方は、よければぜひ一読してみてくださいね!